43歳の誕生日の日に思ったこと

3度目の体外受精で念願の第1子を授かったのですが、1人出産すると次は2人目だね、なんて聞かれることが増えます。
もちろん私自身も、あわよくばもう1人、とおぼろげに考えたりはしていましたが、そんな淡い思いを叩きのめすのが、不妊治療という大きな壁。

私は体質的にたまごの質が悪いタイプのようで、一度の採卵で採れるたまごは少なく、採れても低グレードのたまごばかり。1人目は初期胚で奇跡的に妊娠し出産まで至りましたが、凍結胚のストックはもうありません。2人目を望むなら、採卵からの再スタートになります。
私には、採卵の一連の流れが本当に心身ともにしんどくて、あの辛い治療をまたしないといけないのかと思うと、2人目の治療再開に二の足を踏まざるを得ませんでした。

そんなモヤモヤした日々が数年続き、ついに43歳の誕生日を迎える時が来ました。
43歳といえば、不妊治療の保険適用がなくなる年齢。43歳になった瞬間、なんだか肩の荷がスッと下りたような、そんな感覚がありました。私はとうとう保険診療の範囲外でしか治療ができなくなるんだ、私の不妊治療は終わったんだな、と心の底から思うことができたのです。
本当はきっと、1人授かっただけで十分、不妊治療はもうやらない、と心のどこかでは思っていたのだと思います。でもほんの少しだけ、保険適用の範囲内ならしんどい治療もまた耐えられるかな…なんていう気持ちも少し残りつつなこの数年間だったのです。

43歳になった瞬間、その少しの心残りは消え去り、身も心も不妊治療から卒業できたように思います。最後の不妊治療を終えてから、実に6年もの歳月が経っていました。
不妊治療を卒業した今は、治療のことをポジティブに思い出せるようになっています。当時のことは懐かしい思い出の一つです。

 このコラムを書いた人 

みやざきまさこ(ぱや)

兵庫県出身、大阪府在住。
 現在、不妊治療や妊産婦乳幼児に携わる職場にて勤務中。
お仕事のかたわら、
マルシェ・イベントのスタッフやピアサポーター活動もしています。
いろんなマルシェにお出かけして、
可愛いアクセサリーや雑貨を見つけるのが大好きです!

インスタグラム:https://www.instagram.com/panoramagic.yard_paya/

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