治療と仕事の両立、私は『伝える』という作戦にでました
※あくまでも個人の経験・感想です。私のような『伝える』ことのできる環境にいる人ばかりではないと思いますので、参考にならないと判断した場合は早々にご離脱くださいね。
不妊・不育と仕事との両立・・・どんな治療状況であれ、どんな仕事の形態であれ、誰にとっても難しいテーマですよね。
皆さんもそうであるように、治療は通院・検査・薬の服用などの時間的・身体的な負担を伴います。また、ホルモンバランスの変化による体調不良や、精神的なストレスも無視できませんね。一方、仕事では、責任や納期、人間関係など、様々なプレッシャーにさらされます。
この二つのプレッシャーが重なり合うことで、心身ともにヘトヘトになってしまう人、たくさんいると思います。というか、ほとんどの人がそうなのではないでしょうか。
自分も漏れなく、現在進行形で「ヘトヘト」になっている一人です。かれこれ6年以上前から治療と仕事のせめぎあいの中にいます。ヘトヘトになりながらも、一つ感じたこととして・・・自分の場合は、伝えたいことを我慢せず、職場とこまめにコミュニケーションをとることが、両立のためには(ちゃんと両立できているかは謎ですが)大事だったのかなと思います。
まずは、治療経験者ということを打ち明けてくれていた先輩や、信頼できる同僚に、治療中であることやそのときの気持ちを『伝えて』いました。ここでの根回し(?)が、今になっても気持ちの面でかなり救われています。また、スケジュール上の不安を少しでも感じたら上司にも逐一相談していました。この領域が得意そうじゃない上司でしたが「今後もさまざまな事情をかかえた部下を持つにあたり、よい勉強になるのでは?」(上から目線ですね笑)と思い、起こりうることや自分の思いをすべてお話しました。上司が理解しきれなさそうなポイントについては、上司の上司にも話しました。笑 こうした『伝える』ことによる根回し(?)のおかげで、急な通院や体調不良にも対応しやすくなったのは間違いありません。
また自分の場合は、目先の業務の調整のみならず、治療が長引いたため職種を変えざるを得ない状況にもなりました。結局はハッピーな職種変更になったのですが、それは、かねてより気持ちの共有をしていた同僚が偶然人事に移動したことで、いろいろと手はずを整えてくれたからでした。思い切って自分以外の人に状況や思いを『伝える』ことが、自分によってはよい方向に向かったみたいです。
もちろん、どこまで話すかは個人の自由です。職場によってはそもそも話し出すことがためらわれる雰囲気かもしれません。その時は、心を守ることを最優先にして、職場に限らず信頼をおけるひとに、状況や思いを『伝えて』ください。思ってもなかったようなアドバイスが聞けるかもしれません。短期的にみれば微妙な選択肢も、中長期でみれば「よかった!」と思えるような道が拓けるかもしれません。
そして『伝える』こと以外にも、この場を借りて触れておきたいことが一つ・・・みなさん、どうか自分を労わる時間も大切にしてください。治療と仕事の両立は、長期戦になることもあります。だからこそ、意識的に自分を労わる時間を設けることが大事だと思います。
自分の場合は、病院に帰りに買い物をしたり、スポーツジムに行ったり、病院では仕事をするかわりに通院の電車の中では好きな動画をみたり、音楽を意識的に聞いたり、などしています。
また副作用がつらいときや、流産後の不調期間は、「もうすぐ大丈夫になるかも?」と思っても、大事をとって休暇をとったり休憩時間をつくるなどして、いつも以上にリラックスタイムを確保していました。たくさんお昼寝をしました。金欠なのにめちゃくちゃネットショッピングしました。リサイクルショップも大活用しました。
最後になりますが、治療と仕事の両立で生じる困難は、個人の努力だけでは解決できないことばっかりです。できる限り、たくさん周りに甘えましょう。そして自分をたくさん労わりましょう。このコラムが、同じ悩みを抱える方々にとって、少しでも希望や勇気を与えられるものになれば幸いです。
● このコラムを書いた人 ●
みっきー
東京生まれ、東京育ち、東京在住
治療とキャリアを両立するため、研究員から研究広報に業種変更
スポーツ大好き、筋トレランニングが日課
子どもが好きすぎて保育士資格もとりました!
親からの暴力、家庭内別居
母との離別、父の事業失敗による貧困を経験し
子どもの笑い声があふれる家庭にあこがれるように
特別養子縁組も視野に入れつつ
不育症×不妊症と向き合っています
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