支援者の立場から
私は助産師として周産期センターや産院などに勤務していました。
そして今は地域で開業助産師として活動しています。
新生児訪問や産後ケア、おっぱいケアなんかをしています。
また、昨年度までは京都府助産師会の不妊相談も携わっていました。
(過去形なのは、今年度から事業者が変わったためです)
私が助産師として新人だった頃は
35歳以上が「高齢出産」で「ハイリスク」とされ
不妊治療後の妊娠の際は「貴重児」と呼ばれていました。
死産や流産に対してケアをしていこうという気運がやっと起こりはじめ
「グリーフケア」という単語が広まりつつありました。
多くの妊娠出産育児に関わり、
たくさんの喜び、悩み、辛さ、嬉しさ。
それらに寄り添ってきました。
産科って病院の中でも非常に独特なんですよね。
おめでとうと悲しみが本当にすぐ近くにあって
私たち助産師でさえ間で苦しむことがあります。
当事者はもちろん尚のことでしょう。
そして時代は令和になりました。
夫婦全体の4組に1組が不妊治療を受けています。
不妊治療に保険が適応されるようになりました。
前述の言葉は全く聞かれませんし、なんだか不快な印象さえ受けます。
時代は変わりましたが、みんなの悩みは変わらないんだなあ。
スマホが行き渡り、何でもかんでも調べることができます。
けど、人の気持ちってそんなに変わらないんでしょうね。
この検査をした方がいいのか
夫婦で意見が一致しない
このまま治療を続けるかどうか
いつまでやればいいのか
周りに言えず孤独で辛い
答えはないと思います。
ラクになる魔法の言葉も思いつきません。
どうすればいいのか、相談に乗る立場にはありますが
一緒に考えてきましたし、これからもそうするしかないと思います。
そして、ピアサポーターの当事者の皆様。
皆様こそが、真に寄り添えるのではないかと
私は思います。
「辛い時、辛いと言って大丈夫な場所が欲しかった」
あるピアサポーターの呟きから
このサイトは生まれました。
那須 綾美
一般社団法人不妊症不育症ピアサポーター協会代表理事。
京都府城陽市にて出張型助産院やってます。
犬派だったが猫を飼い始めて猫派に転向。
飼い猫は全く懐いてくれないため
どうすれば膝に乗ってくれるか研究中。
好きな漫画は「きのう何食べた?」